2021年の東京挿画賞へ応募、1点が2次選考を通過していました。
名前のみですが、以下の東京装画賞のページに載っています。
https://souga.tokyo/?cat=31
課題図書はドリアン助川さんの「あん」と宮沢賢治の「よだかの星」があったのですが、
「あん」を選択して2作品描きました。
一つは目は2次選考を通過したあんを作るのに使う、さわり鍋やヘラ、こし器を手拭の上に乗せたイラスト。
踊るように散らばるあずきが、「あん」の登場人物が書く踊るような独特の文字のような気もして気に入っています。
「あん」で繰り返し出てくる桜は、桜の木としてではなく手ぬぐいの柄として表現してみました。
もう一つは、「あん」に出てくる少し寂れた商店街にあるどら焼きやさん「どら春」を描いたものです。
「あん」は刑務所から出てきたばかりの主人公や、ハンセン病の隔離病棟で10代からずっと暮らしていたけれど外へ出て働く女性が登場します。
いずれも鳥籠のような閉鎖された場所から新しい未来へと飛び立っていくという表現が幾度も出てくるので、作中に出てくるカナリアが明るい道の先へと飛び去っていくように描いてみました。
色は桜とあんこの色でまとめてみています。こちらは一次選考通過止まりでした。
結果はもう一踏ん張りというところですが、コンペを通して本を読み、それについてじっくりと考え答え(作品)を出すというのはとても楽しい作業でした。
受賞作品発表後に、自分が出した答えと、他の人の答えを照らし合わせてこういう解釈もあるのかと思うのもとても楽しいです。
また再来年も頑張りたいと思います。