GALLERY HOUSE MAYAさんの装画コンペvol.21で、入選しました。
いくつかある課題図書から、「ビルマの竪琴」(竹山道雄)と「ナイン・ストーリーズ」(J.D.サリンジャー) を選んで制作。
デジタルで描くことが多いですが、今回は紙で提出する必要があったのでせっかくならばとアナログで描いてみました。
アクリルガッシュを使って描いた「ビルマの竪琴」
中学生くらいの時に読んだ印象ではビルマの竪琴はまさに戦争を描いた作品という印象だったのですが、
今回改めて読み直したら、戦争の中でも穏やかに暮らすビルマの人々とそれに寄り添う主人公がとても印象に残りました。
なので、ビルマの密林をイメージした熱帯植物と、ビルマの人々、を全面に押し出し、兵士たちは密林に隠れるように描きました。
四角の模様はビルマの民族衣装にあしらわれる模様を描き込んでみています。
もう一冊のナインストーリーズは2枚描きました。
ナインストーリーズは本当にごく普通の日常を描いているようでありながら、どこか非現実的でファンタジーのような印象があったので、
普通の風景に「バナナフィッシュにうってつけの日」に出てくるバナナフィッシュのようなバナナを並べてみています。
もう一枚は、小説の構想を練っているサリンジャー本人とバナナフィッシュを海に浮かべてみました。
今回は、「書店に並んだ時に手に取りたくなるような色彩を心掛ける」「物語の一場面を描いただけのようなものではなく、ワクワクするような構図、モチーフを選ぶ」といった点に特に注意して制作しました。
反省点として、MAYAさんの装画コンテストは東京装画賞と違って文字入れの必要がなかったので、画面いっぱいにイラストを描いてしまっていましたが、
やはり「装画」としてのイラストのコンクールということなのできちんと文字を入れるスペースを確保すべきだったなと思っています。
文学部を卒業しており本はかなり好きなので、また次回も参加したいと思います。